TAKU

キャノンフィルムズ爆走風雲録のTAKUのレビュー・感想・評価

4.0
80年代にイスラエルからアメリカに進出、映画会社「キャノン・フィルムズ」を設立しハリウッドに旋風を巻き起こしたプロデューサー、メナヘム・ゴーランとヨーラム・グローバスにスポットを当てたドキュメンタリー。

個人的な話から始めると、僕は小学生になると同時に映画を見始めるようになった。テレビを点ければ、1980~1990年代に作られた「屈強な男たちが活躍するアクション映画」がよく放送していた。そういった映画をたくさん観ているうちに、チャック・ノリスやジャン=クロード・ヴァン・ダムの作品を通して、キャノンフィルムズの存在を知った。日曜洋画劇場で『暴走機関車』と『スペース・ヴァンパイア』を観た体験は今でも忘れない。

なので、僕の血となり肉となった作品群のフッテージが劇中で流れると、妙に懐かしい感覚に襲われてしまった。マイケル・ダディコフが出てきたときは、「『エグゼクティブ・コマンド』とか『クラッシュ・ダイブ』の人だ」とちょっぴり嬉しくなった(別に彼の出演してた映画が好きなわけでないのだが)。

なんかしょうもない話ばかりが続いてしまったが、ドキュメンタリー自体も非常に面白かった。メナヘムがなぜ映画製作を志すようになったのか、イスラエル時代、キャノンフィルムズでの栄光と破滅、メナヘムとヨーラムの決別、そして現在と構成がしっかりしているので、キャノンフィルムズ製作の作品を一本も見たことないという人も本作を楽しめるだろう。

また、本作が偉いのは、過去を振り返るだけに終わらず、現在のメナヘムとヨーラムの関係にも言及していることだ。二人の関係が映画によって浄化されるラストは、映画が好きな人なら涙なしには見られない。ムナヘムも去年亡くなってしまったので、タイミングが良かったとしか言いようがない。

ロジャー・コーマンからのメラヘム・ゴーランときたので、次はマリオ・カサール(カロルコ・ピクチャーズ)のドキュメンタリーを誰か作ってくれないかなぁ。