TAK44マグナム

ザ・サンドのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ザ・サンド(2015年製作の映画)
3.7
砂が人を喰らう!
80年代のB級モンスター映画といえば「血に飢えた白い砂浜」で決まりですが、あれは砂浜の底に潜んだ怪獣がギャルをバリバリと豪快に食べるロマンあふれるボンクラ映画でした。
(ちなみにビデオ邦題は「ブラッドビーチ/謎の巨大生物!ギャルまるかじり」)
そんな木曜洋画劇場や午後のロードショーでしかお目にかかれないようなB級映画を現代によみがえらせたのかどうかは良く分かりませんが、とりあえず砂に潜んだ怪物が襲ってくるというコンセプトを完全にパクったとしか思えないのが本作であります!

いやいや、でもこれ超低予算ぽいですけど嫌いじゃないですよ。むしろ意外と拾い物でした。
なんだか評価は良くないみたいですけど、人喰い砂浜に囲まれて身動きできなくなったボンクラ学生どもが必死に脱出しようと頑張る姿が素晴らしい快作だと思います。
何よりも出てくる女子が揃って水着(一部トップレスあり)っていうのが眼福でよろしいじゃありませんか。
主人公格のケイリーって娘は日本人受けしそうなルックスだし、途中で出てくるビーチパトロールのセリフじゃないけど「そんな恰好していたら俺が犯罪者になっちまう」って感じで何だか得した気分で鑑賞できましたよ。


勝手にビーチパーティを催していたボンクラ大学生たち。
夜が明けてみると、監視塔や車で眠ってしまっていた7人の男女、そして何故かドラム缶にハマって動けないでいるおデブ君を残してみんな姿が消えていました。
オッパイ丸出しで寝ていたギャルが砂浜に足を下すと、どうしてだかその場から動けなくなってしまいます。
ギャルのヘルプを見過ごせないとイケメン君が助けに行こうとしますが、彼もまた砂浜に倒れたまま動けなくなってしまいますよ!
「ぎゃああああああ!!痛ええええええええ!!」
オッパイギャルとイケメン君は、砂浜から伸びた謎の触手によって砂の中へと引きずり込まれて食べられちゃいました!
びっくり仰天する残りの皆さん!
どうやら砂浜が危険ということで、色々と試行錯誤して脱出方法を探りますが、スマホはパーティの時に没収しちゃってトランクの中だし、そもそも車のライトをつけっぱなしだったのでバッテリー上がりで動けません。
完璧なる自業自得DEATH!!
でも、まさかパーティの最中に拾ってきた気持ち悪い岩みたいなのが割れて、中から人喰い怪物が出てくるなんて夢にも思わないだろうから仕方ないと言えば仕方ないですけどね。

薄っぺらい痴情のもつれとかの人間ドラマはどうでもいいのですが、怪物が糸みたいな触手だけではっきりと姿を現わさないにも拘わらず、それなりの緊張感を保ち続けるのはよろしい。
ゴア描写はCG製なので生々しさには欠けますが、悪くない出来栄えで充分なグロさは及第点でしょう。
特に、パーティの主催者っぽいミッチが捕食される場面は中々の恐ろしさ。こんな死に方はしたくない選手権でもいい線いくのではないでしょうかね。
あと、おデブ君の「スポッ!!」(←観れば分かります)も笑えたし良かったですな。
あのおデブ君、ずっとドラム缶にハマったまんまでしたけど大変だったでしょうね。特別功労賞をあげたい気分です。

少し残念だったのはクライマックスのバトルのパンチ力不足。
それまでの糸ミミズみたいなのからいきなりグレードアップして、ぶっとくて大きい触手が襲ってきますけど、たかが車一台をどうにも出来ないなんて怪物の風上にもおけない奴ですよ!
せっかく水着ギャルが相手なんだから触手系エロアニメみたいな展開を期待した自分がバカみたいじゃないですか(←バカ)!
肝心のオチも、「なんだかもう考えるの疲れたからテキトーでいいや」って感じになっちゃって、もう少し最後は盛り上げて終わってほしかったですね。
結局、あの怪物は何だったんでしょうか??
どこか、宇宙大怪獣ドゴラっぽくもありましたが・・・・・

それにしても、ビーチパトロールが本当に使えない奴で、観ていて心の底からイライラしっぱなしでした。
明らかに目の前でボンクラながら善良な一般市民が血を流したり、指を挟んでいたり、ドラム缶にハマって動けなくなっているっていうのに本気で助けようともしないし、まともに話を聞こうともしないわで、「こいつは早く死んでほしい」と思わず流れ星に願っちゃいましたよ!
まあ、出てきた時からロクな死に方しないだろうオーラを全身から放っておりましたけどね。

とりあえずB級ホラー系がお好きなら、最初のタイトルロゴからして胸がキュンキュンしてしまうことでしょう。
ちょい地味目ながら、尺の短さも手伝って軽く楽しめた映画でした。後には何も残りませんけれど(苦笑)。


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