このレビューはネタバレを含みます
実在した伝説のトランペット奏者
チェット・ベイカーの半生を描いた作品。
映画館で予告を観た時からずっと楽しみにしてました!
これは...
イーサン・ホークが素晴らしすぎる。
葛藤している姿や幸せにしてる姿。
そして、最後のあの顔ですよ。あの顔。
バードランドのステージでトランペットを吹きながら恋人ジェーンを見つめた時のあの顔!
あの表情が、忘れられない。
この映画はあの表情の為にあるって思う。
「あぁ...ヘロイン...」って思ったし、「あぁ...それでもやっぱ音の境地に行くにはドラッグが必要なのは、なぜなんだぁ!!!」っていう戸惑いや怒りや失望も感じたし、けどどこかで「これでいいんだ。これでしか彼は成り立たない。ある意味幸せな手段はこれなんだ...」とも思ったり...
もう一瞬にして脳みそフリーズ!
ただただ悲しかった。指輪を置いて去るジェーンと、それでも素晴らしい音色を奏でるチェット。
Mr.哀愁
天才トランペッターはヘロインと共に生きていく事を決めたんだね。
映画の冒頭のタランチュラはそれを示唆していたんだと気づく。
なんてせつない物語。
なんて心が痛む物語。
はがゆい。
これもひとりの人生...
赤の他人の私ですら、そう思って割り切れそうで割り切れない。
チェットの家族や歴代の恋人たちは想像を絶する思いをしたんだろうな...
この繊細で純粋で危険を含んだチェットの人生、イーサンホークの演技力でとにかくすごい映画になったと思いました!