さとう

ブルーに生まれついてのさとうのネタバレレビュー・内容・結末

ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

横暴な態度、ドラッグ依存、激しい女性関係。
このクズ男の唯一の良心はトランペット。そして、このトランペットにかける情熱という一点のみで、我々を味方につけてしまった。

ジャズの世界で白人のチェットに対する風当たりは強い。逆に、もがき苦しみながらもトランペットを吹き続ける彼を、優しく見守る目も多い。恋人ジェーン、旧知のディック、保護観察官までも。
この人らが手を差し伸べるたび、道を外さずに済むチェット。そうでなければあっという間の転落人生。
だから、ジェーンが一緒に行かないと言った時、悪い予感がしたんです。

そしてラスト、わずかな所作でそれを見抜き、涙するジェーン。この時、チェットはとても哀れな男に写ります。拍手喝采の中、ステージには1人の寂しい男が立っています。
さとう

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