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ブルーに生まれついての東京キネマのレビュー・感想・評価

ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)
3.5
映画が面白いと、嫌になるほどブルーになるだろうなあーと思いつつも、ブルーにならなきゃこれまたアホみたいな話を映画にしやがってとなるだろうし、とアンビバレントな状態で鑑賞致しました(笑) ちょっと悪い意味で期待通りです。まあ、はっきり言えば人間のクズ。葛藤も餓鬼すぎるし、それも中途半端なクズだから復活劇もショボい。色んな意味で緩いので、ブルーにならずにまあ良かったのかと。。。

それよりも何よりも、イーサン・ホークのペット吹けない感がモロ出しで醒めちゃうのですよ。今や4K高画質が当たり前の時代ですから、それまでのメソッドじゃあ通じないくらいのナチュラルさが要求されちゃう訳で、そこ重要なポイントだと思うのですけどね。それもあるからなんですが、何でボーカル・シーンをガンガン増やしてくんないかなあ。チェット・ベイカーが歌っていなければ、歌うジョアン・ジルベルトは居なかったってことっすよ。ジョアン・ジルベルトの歌がなかったら、アストラッド・ジルベルトも、いしだあゆみも、小野リサも、手嶌葵も居なかったってことですよ(多分)。 もうそれくらい凄いことだったんだから〜と、じれったくて仕方ありません。

モノトーンのタッチにしてもそうなんですが、予告編を見たときはもっとしっかりした映像だった印象があるんですが、本編はポヤッポヤです。当然、『Let's Get Lost』(ネットで見れますよ)を意識してのことだろうと思うんですが、ブルース・ウエーバーの足元にも及びません。悪口ばかりになってしまいましたが、とにもかくにも久しぶりにチェット・アトキンスを聞けたのは良かったです。音楽的な高揚感もありましたし。もしかすると、音楽映画ってそれだけで良いんですよね、おそらく。。。
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