karmapolice

ブルーに生まれついてのkarmapoliceのレビュー・感想・評価

ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)
3.0
Born to Be Blue:ロバート・バドロー監督、イーサン・ホーク、カルメン・イジョゴ主演、2015年カナダ、イギリス作品。1950年代に活躍したジャズ・トランぺッターのチェット・ベイカーの史実を基にしたフィクション。

伝記映画ではなく一部をクローズアップして創作した内容になっている。物語はチェットがヘロインに溺れていた頃に、バイヤー達に喧嘩で前歯を折られて、演奏活動が完全に休止となる。そこからジェーンという女優志望の女性の支えを得ながら、ヘロインを断ちカムバックしていき、ニューヨークの「バードランド」という舞台で、ライバルのマイルス・デイビスの見つめる中で、生演奏を披露するまでを描いている。

このカルメン・イジョゴ演じるジェーンという女優志望の女性が魅力的で、クールながらもラ・ラ・ランドを少し連想させるような物語になっている。この作品の方が1年古いし、オリジナルのストーリーだと言う事も素晴しいと思う。しかしジェーンの存在そのものがこの作品の創作だった事を知り、かなり残念に思った。実際のチェット・ベイカーにはあまりいいエピソードが残っていないのだろうか・・・・。

アルバム「チェット・ベイカー・シングス」や代表曲「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」はかなり好きだし、ブラジルのジョアン・ジルベルトも影響を受けてボサノヴァ誕生にも一役かっているのも頷けるアーティストなのだけど・・・・。

イーサン・ホークの演技も弱そうなウダウダ感など、なかなか良かったと思う。創作も残念だけど、物語の結末も元々かなり残念で、下がる映画でもあるだろうか。「ブルーに生まれついて」落とし込む作品が観たいときに・・・・。
karmapolice

karmapolice