Kou

ダレン・シャンのKouのレビュー・感想・評価

ダレン・シャン(2009年製作の映画)
2.5
皆さんが子供の頃好きだった児童文学は何ですか?
『ハリー・ポッター』『ナルニア国物語』
『ロード・オブ・ザ・リング』etc・・・
名作は色々ありますが自分の中の一番は
この『ダレン・シャン』でした。
まさに小学校時代のオリジンともいえる
衝撃的な原作をぜひ皆さんにも知ってほしい。
そんな思いから以下レビューです。



〈あらすじ〉
「奇怪なサーカス」シルク・ド・フリークを見に行った少年ダレン・シャンは、毒グモマダム・オクタに噛まれた友人スティーブの命を助ける為、正体不明のバンパイア、クレプスリーと取引をすること。「半バンパイアとして我が輩の手下となれ──」
そして、ダレンの運命の歯車はそこから大きく狂っていく──



本作のジャンルは(ダーク)ファンタジー。
ダークだから、最後に敵を倒して
物語を締めることもなければ
そもそもハッピーエンドですらない
っていうのが本作の特徴。

最初に大親友との決別から始まり、
友人の死、恩人の死、また友人の死、
宿敵の子を出産した妹、友人の子供の死と、
ダレンになにか恨みでもあるのかと
そう思うくらい悲しい目にあいます。



また、ヴィラン(敵)があまりにも
強大で魅力的なのもダーク要素の一つ。
本作にも一応出てくるんですが
そのヴィランとは(運命)そのもの。

これは語弊でも誇張でもなくて、
本当に運命っていう名前のキャラクター
(デズモンド・タイニー(Desmond Tiny)
→ デス・タイニー(destiny:運命))
がいるうえにこれがまた反則的に強くて。
おまけに邪悪そのものみたいな思考を持ってて
敵としてこれ以上ないほど魅力的なんですよね。



そんなまさしく運命そのものに
魅入られてしまったごく普通の小学生が
半分人間、半分バンパイアとして
(苦悩)と(葛藤)を抱えつつ、
友人や理解者を得て、そして多くの
別れを経験することで少しずつ成長していく
ダレン・シャンの生涯を描いた物語。



児童文学とは思えないほど(重く)(暗い)
けどそここそが、多感な小学生、中学生の
心にグサッと突き刺さるんですよね。
読む時は童心に帰って読んでみて下さい。
きっとあなたも好きになるはずですよ。






映画自体のレビューをしていませんでしたね。
ええ、映画はもちろんgmでしたよ(^q^)
それについてはもう書きたくありません(^q^)

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以下愚痴です。

クレプスリーがダサい中年おじさんなことも
家族との別れを悲しむ描写や
血に飢えた描写が手抜きなことも
かろうじて許せます(許せません)が、
一原作ファンとして、デス・タイニーが
「読書をする」という設定に改悪した
ところだけは本当に納得いきません。



この作品の一番のポイントといえば
(作者と主人公の名前が同じ)ところ。
無敵の存在タイニーの唯一の弱点が
本を読むことだからこそ、そこを理解できたときに
大きなカタルシスがあるのに。
現に初めてその仕組みに気が付いた時、
ほんと鳥肌が立ちましたもん。



兎にも角にも怒り心頭ではありますが、
ちゃんと作れば『ハリー・ポッター』並に
面白くなるくらい魅力のある原作なので
なんとかリメイクしてくれることを期待してます😊



2018年10月6日 68本目
Kou

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