ブタブタ

アウターマンのブタブタのレビュー・感想・評価

アウターマン(2015年製作の映画)
5.0
河崎実監督は当初「昭和ウルトラマンと平成ウルトラマンの殺し合い」を企画し通らなかった為それをリライトし発展した物が本作品だそうです。
『ウルトラQ』→『ウルトラマン』ではなく『アウターリミッツ』→『アウターマン』と言う特撮ヒーロー番組が50年も放送されているパラレルワールド。
特撮番組『アウターマン』が放送されている世界に本物の初代アウターマンが現れる。
そのアウターマンは実は侵略異星人であり特撮番組『アウターマン』は人類を洗脳支配する為のプロパガンダだったと言う、2重3重の入子構造のメタ特撮であり巨大変身ヒーローモノへの愛に満ちたオマージュでもありパロディでありアイロニカルなファンタジーでもある。
60年代アメリカのTVドラマ『アウターリミッツ』は『トワイライトゾーン』と並ぶSF怪奇ドラマで毎回奇妙な異星人や未来人や異次元人が登場し地球を侵略しようとしたり或いは全く理解不能なその行動原理で人間を恐怖のどん底に突き落としたり、相対する人間はその危機を防いだり防げなかったりと『トワイライトゾーン』よりディープでカルト的、その後番組の特撮ヒーロー番組とは一体どんな番組なのか。
ウルトラマンではなく、毎回手を変え品を変え異星人が侵略して来るウルトラセブンのそれも実相寺昭雄監督回がずっと続いている様な感じでしょうか。
作品自体も素晴らしく面白かったのですが、自分はこのメタ特撮『アウターリミッツ』の後番組『アウターマン』と言う存在しない架空の特撮ヒーロー番組に惹かれます。
アウターマンの敵シルビー星人はウルトラマンの最もメジャーな敵であるバルタン星人のパラレルな存在(シルビー・バルタンがネーミングの元なので)でありバルタン星人=侵略者、シルビー星人=実は人類の味方とその存在自体も裏表の様な存在で、ウルトラマンの様なアウターマンが侵略異星人と言う全てが逆転した世界。
そしてアウターマンに対するのは嘗て特撮番組『アウターマン』で主役を演じた俳優たち。
ζ・∑・Ω3人のアウターマン(俳優)
まるでこの『アウターマン』自体が『アウターリミッツ』のパロディの様な気も1エピソードの様な気もします。
ウルトラマンは常に地球人の味方、地球を守る、その「お約束」が崩れたら世界は一体どうなるのか。
光の国のウルトラマン達は他の異星人とは明らかに別種の存在で誰に頼まれもしないのに宇宙の平和を守る神々の様な存在。
例えば人類が宇宙に進出した未来で他の惑星を侵略し、その惑星にウルトラマンに変身する異星人が居て人類に向かって来たらどうなるのか。
更に例えばアウターマンはウルトラマンに対抗する為に異星人達の科学技術により生み出されたアバターの様な物だとしたら。
妄想は膨らみますが、仮面ライダーのバブルとも言える現在の隆盛を目の当たりにすると現在のウルトラマンの状況は少し寂しいです。
仮面ライダーは『龍騎』で「13人の仮面ライダーが殺し合う」また『鎧武』で脚本に虚淵玄氏を起用したり常に新しい事を取り入れ仮面ライダーのタイトルが付いていれば何でもあり、しかし子供たちのヒーローと言う根幹はぶらす事無く常に新しい事にチャレンジしています。
ウルトラマンもこの辺で河崎実監督による新作ウルトラマン、『昭和ウルトラマンVS平成ウルトラマン』や『ウルトラマンVSアウターマン』等今までにない新作に挑戦してみて欲しい物です。