ちろる

あなたの旅立ち、綴りますのちろるのレビュー・感想・評価

あなたの旅立ち、綴ります(2016年製作の映画)
4.2
ベテラン女優シャーリー マクレーンが見せる魅力的な演技によって、泣いたり笑ったり忙しい。シャーリー!やっぱなんて素晴らしいんだぁと最後に思いっきりハグしたくなりました。
金も地位もあるが、周りをコントロールしたがるタイプの本当に憎らしいおばあちゃんハリエットが自分の死に方まで自分でコントロールして有終の美を飾ろうとする、終活をテーマにしたコメディ。
これといって何かがどうかなって凄い!というストーリーではないのかもしれませんが、なぜか素敵な作品だと感じられたのは、人と人とが関わる上で一つ一つの些細な叱咤や嫌味も含めた言葉や、喧嘩も含めた行動も時間が経って意味がある事だと気がつく事もあると気がつかせてくれたから。
日々をただ「いい一日」にするより、大切だと思う何かに向かっての一歩を残していけるようにしようと教えてもらえました。
そしてDJハリエットが最後にラジオで放った言葉はジーンと心の奥に沁みました。
あんな素敵なラジオなら毎朝聞いてみたい!

死をテーマにしてるけど、なかなか泣ける場面を作らないで明るく、テンポよくクスッと笑わせてくれるのは、アマンダ演じるアンとシャーリー演じるハリエットの凸凹な組み合わせに上手いこと接着剤になってくれるかわいいブレンダちゃんも加わって、世代も立場もバラバラな女の本物の友情物語が最後まで愛おしいから。
なんだか同じくアマンダ出演のの「ジュリエットからの手紙」の時みたいな多幸感と同じ感覚を味わいました。
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