藍住

あなたの旅立ち、綴りますの藍住のネタバレレビュー・内容・結末

あなたの旅立ち、綴ります(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

心地よい余韻を引きずって映画館を後にした。
『最強のふたり』を観た後の余韻ととてもよく似ている。

訃報記事をきっかけに巡り合う老婦人と新聞記者。
最初は考え方や価値観の相違でぶつかり合うが、段々お互いを知るようになってから、距離を縮めていく。
いつしか年の離れた友達として、時間を過ごすようになる。
この展開が丁度いいペースで、とっても好き!

ハリエットが訃報記事を書くのに役に立つからという不純な動機で孤児を引き取ったのに、ちゃんと親子のような関係を築けて居たのも素敵だった。
3人でモーテルの湖で泳ぐシーンが涙が出るほど美しくて、良かったな。
他にも、自分を追い出した会社の看板をぶっ壊したり、ラジオDJをやってみたり、とにかく印象的なシーンが多い。
人間、何事もやってみないと始まらないんだなーと改めて思った。
年齢は関係無い。
いつ死ぬのかなんて分からない。
だからこそ、今自分がやりたい!と思えることをやらないと。
そんな前向きなメッセージを受け取った。
なんでもない1日を、意味のある1日にできるようになりたいな、と思った。

ハリエットが死んでしまうシーンは本当に泣けて泣けてしょうがなかった。
でも、アンやブレンダが目の前で楽しそうに踊っていて、大好きな音楽も流れてて、3人で撮った写真も飾られていて、そんな中で死んでいけたらどれだけ満ち足りた最期だったのか、想像ができる。
ハリエットは間違いなくこれからを生きる希望に溢れた若者達を見つめながら、眠るように亡くなる。
こんなに幸せそうな最期はほかに無い。

アンが夢を諦めていたのに対し、きついことを言いながらも背中を押すハリエットの姿にも泣けた。
ハリエットの言葉や態度を嫌う人間も居れば、ハリエットに救われた人もいる。
アンや、ブレンダは勿論、観客である私も、ハリエットに救われた。

なんて清々しい余韻!
私の中で、またひとつ大切な映画が増えたことがとても嬉しい!
藍住

藍住