あなたの旅立ち、綴りますのKUJIRAのネタバレレビュー・内容・結末

クソババアのお手本に感情移入出来るか序盤で不安に陥る。

話の入りから観客は置いていかれそうになる。これは2回目にジワジワ来るヤツだ。と見終わってから気付く。

アマンダ セイフライドはルックスも最高だが、ジャンルや役柄に応じて幅広い演技が出来る所が凄い。婆さんと最初に会った時に、机に足を乗せちゃう尖ったスタンスから引き込まれる。終始目まぐるしく変化する顔の表情はずっと見ていたい。コメディセンスが高い。

終盤で婆さんが死ぬ所では、一瞬最高の微笑みを見せてから悲しみへと移って行く。自然で細やかな演技だ。
長回しで弔辞を読むシーンも圧巻だった。涙を流しながらも、笑顔でユーモアを交える一連の流れは感動的。
これでミュージカル映画も得意。多才にも程がある。

婆さんがまた困ったもんだ。結局、このクソババアに魅了されてしまう。凄く嫌味なんだけど、思った事をハッキリ言うスタイルは、時に清々しい。時折見せるイタズラっ子の表情がお茶目。何だかんだ言っても人の事を考えてくれる素敵なお婆さんだ。この女優さんの演技力は相当な物だ。調べたらシャーリー マクレーン！大変失礼しました。出演作は観た事無いと思うが、それでも名前を聞いた事がある。大女優じゃないか！！

周りの人達も、表面上は婆さんを迷惑がっているが嫌いでは無いのではないか。だからこそ徐々に旧交を温める機会が増え、葬儀にもあれだけの人数が集まったのだろう。

婆さんになってからDJデビューして、選曲で若者を唸らせるなんてカッコ良過ぎる。
脇を固める俳優陣も味があって、誰かすぐ頭に入った。

でも、やはりアマンダ セイフライドとシャーリー マクレーンの2人が大きい。この2人をメインに据えたら何でも面白いのでは無いか。

最近流行りの終活。何だか嘘っぽくて好きじゃない。でも、この作品の様な終活なら大賛成。これこそ終活のお手本。現実は、そんなに上手く行かないだろうけど。
黒人の子と3人でロードムービーみたいな展開も好印象。ベッドで川の字、家族になってた。