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田舎の水のJeffreyのレビュー・感想・評価

田舎の水(1946年製作の映画)
3.0
「田舎の水」
本作はデンマーク政府映画コミッティーによって企画が立てられたものであり、1944年にカルンボーの地方保健局技官が出版した報告書によってショッキングな井戸水の水質に関する改善策を協議した会議での、国民への関心を映し出した1本だと感じ取れる。しかし結局一般公開されなかったらしく、2008年になってデンマーク映画協会のアーカイブから復元され、ようやく鑑賞できるようになったと言うことである。どうやら農業省と保健局がクレームをつけたのがきっかけで、上映禁止になったらしい…またナレーションが次から次えと言葉を話す作風でもある。井戸の真下から撮影するシーンが印象に残った。立ちしょんべんするシーンや歯磨きをするシーン、蛇口の汚れた水での入浴などの、いちいちナレーションが悲観的でネガティブキャンペーンをしているかのようで非常に笑える。細菌付きのスポンジを口にほおばった赤ちゃんの描写でもディスる形で、その後に顕微鏡で見たばい菌の描写を映したり笑える。と言うよりかはかなり煽ってる映画だと思う。またハンセン病の新聞記事を映したり、地図でどこが汚染の元などを話し合ったり、なかなか短い尺の中に収めている。パイプを地下に落としたりポンプで土を上に持ってきたりする映像はなぜだかドライヤーらしい演出だなぁと思う。少しばかりおしゃれなんだよ。
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