安堵霊タラコフスキー

定職/就職の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

定職/就職(1961年製作の映画)
4.7
やはり自分は自然な風景を切り取ったような映画が好みなんだなと改めて思い知った、エルマンノ・オルミ初期の傑作。

一番気に入ったのはヌーヴェルヴァーグの影響が特に如実に感じられる男女が都会を練り歩く一連のシーンだったけど、切り取られた風景がイタリアの当時の日常そのものってのがよくわかるから、その中を青年らがふらついているだけでも十分見応えがあった。(その自由さが後の不自由さを引き立たせているのもまた良い)

労働者としての採用試験や職場の撮り方もドキュメンタリー的で実に自然だから、本当に当時こんな労働環境があったように思えて興味深かった。

次作でも似たシーンが見られるラストのパーティの映像とその対比となる後日の職場の風景も、不自由な環境における世知辛さみたいなものが感じられて味わいのある幕切れとなっていて堪らない。

でもこういう描写に特化したような映画が好みっていうのは、自分が印象派絵画に心惹かれるのも関係しているのかもしれないなとふと思った次第。