定職/就職の作品情報・感想・評価 - 5ページ目

定職/就職1961年製作の映画)

Il posto

製作国:

上映時間:93分

4.2

「定職/就職」に投稿された感想・評価

sajimarks

sajimarksの感想・評価

4.5
就職試験のいやーな感じは世界のどこでも変わらないんだなというのが第一印象。冷たい都会の喧騒が女の子と連れ立って歩くと魔法のようなときめきに満たされて、手を繋いで走るシーンは最高!ときめきがやがて霧散し落胆、それに慣れていき最後には小さなオフィスに入社から死までが一列に並んで見渡せる辛辣さ。ときめきと皮肉をさらりと繋げてみせる素敵な映画。女の子もめちゃくちゃかわいいけど、主人公も帽子を被ると急に可愛くなってビックリしたよ。
moku

mokuの感想・評価

4.5
素晴らしかったなー。
就職試験で出会う女の子とのほんの一時のささやかな幸福感。
就職してからの、結局いい事なんかそうそう起こらぬリアルでほろ苦い現実。
パーソナルな話を描きつつも普遍的とも思える物語。
myg

mygの感想・評価

4.5
カフェでの見よう見まねにラッキー手つなぎ、社会人初日の明け方の列車(どんな郊外だ)の車窓の薄い太陽、パリパリのトレンチコート-そんなキラキラしさを鮮やかに切り取りながら有象無象ひしめくオフィスにいきなりサブキャラの生活のクローズアップ描写で甘さを許さないさまが最高。オペラおじさんのここでしか輝けない感はここぞの大晦日パーティーの乱痴気騒ぎに肥大化して、嗚呼サラリーマン!ってなっちゃう。
あと息子の就職試験同伴の滑稽な婦人が壮麗なホールで佇むとこ、一瞬そのキャラクターを剥がしてまた戻るのも好きだった
mstk

mstkの感想・評価

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2016/05/13
@新文芸坐シネマテーク。「就職してはみたけれど」とでも言いたくなるようなミラノのドワネル君。
食堂でのパーティーで一人ぼっちのシーンやサイレント的なギャグシーンの表情にはバスター・キートンの面影も。
オルミ新作『緑はよみがえる』にまで繋がるラストの音響。
ヒロインの手を取って駆け出す一瞬の永遠。
新文芸坐シネマテークにて。

オルミ作品初見だったのだけど、端的に言って滅茶苦茶よかった。こういう映画好きだな〜。
個人の視点や経験、記憶への真摯で実直な眼差しから、人間、あるいは自己と他者、世界がどれほど豊穣に語られうるか。
神様もお月様も、生きることにも死ぬことにも、本当はどこにも断絶なんてないのだなあ。即物的で個人的な探求、その断片的呈示が内にも外にもどこまでも拡がっていく。
そういう瞬間の、可能性の知覚とでも呼ぼうか、それこそが、僕たちが生きることの真骨頂だっていう確信、なんとなくだけど確かにあるな〜。

禍々しくも切な暗い終盤の展開とは裏腹に、なにかの希望を見たり、と言わざるをえない素晴らしい鑑賞体験でした。
背筋が伸びるよ〜。
takandro

takandroの感想・評価

4.0
新文芸坐シネマテーク

50年以上前の映画なのに、これが今の現代とあまり変わらない現実。。
若くして就職することになったドメニコ。どこか憂鬱そうだった彼は、同じ会社の採用試験で天使のような娘と出会う。魔法のようにすぐに打ち解ける二人。
彼は思った。もしかしたら未来は明るいのかもしれない…。

パーペキに美しいモノクローム。親密さ溢れる等身大の人物たち。ありふれた平凡な人生のいっときを奇跡的な瑞々しさで描いてみせる珠玉の青春映画。

はやる気持ちを抑えきれず、エレベーター待つの止めて階段駆け上がるとことか、超絶切ないやけっぱちなダンスとか泣いてしまいました。
ラストはすげえ不安になりました。何だあの音。コワすぎる!
時間は大切にしなければアカン思わされる傑作。
大寺さんアザス。
Osamu

Osamuの感想・評価

4.0
東京・池袋の新文芸坐のシネマテークにて。

若き青年が就職し、会社の中で働き、恋をする物語。

青い春のときめき、戸惑い、哀しみを観る映画。
 
ときめきにはあまり身に覚えがありませんが、戸惑いと哀しみには深く共感しました。

ダンスホールの場面の主人公と全く同じ感情を経験したことがあります。

上映後の大寺眞輔さんの講義によると、オルミ監督の極めてパーソナルな映画とのことです。あの戸惑いや哀しみは監督自身が感じたもののようです。

大監督に対して僭越ながら親近感を覚えました。

そして、ときめきの描き方が輝いています。いやあ、お見事です。

僕は読み取れませんでしたが、大寺さんのお話では、パーソナルな面を描いている一方で社会的なことも描いているそうです。第二次世界大戦敗戦後のイタリアの変わりつつある社会の様々な側面を捉えているとのこと。

上映後に解説してもらうというのもなかなか良いですね。自分では見出せない映画の見方を知ることができました。新文芸坐のシネマテーク、可能な限り通ってみようと思います。
エルマンノ・オルミ『就職』新文芸坐。
田舎から汽車で都会に出てきた少年は就職試験で可愛い少女と出会う。爽やかな恋愛映画のように見せかけながら、まったくそういう話ではないのが一筋縄ではいかず、会社はユーモラス以上に残酷。大晦日のパーティで混沌は少年の孤独な大きな瞳に吸い込まれてゆく。
2016/9/17
シネマテーク 再上映2回目
今回も大盛況、満席だった。


2016/5/13
鑑賞後、映画批評家・大寺眞輔さんの講義付き。

予算のない中、自分の遺産である家を売り、友人からの融資を得て作り上げた作品。
実際にオルミが働いていた職場での撮影で、出演者も同僚や知人、俳優を職業としない人物のみ。
そのため、6週間のウィークエンドのみという短い期間で撮影が行われた。

オルミは俳優を職業としている人をほぼ使わない監督で、主演の2人も実際に技術職として就職活動をする学生から見つけたそう。(実際に就職に苦労している人間の内面から出るものがその人にはあるため)

ヒロインに抜擢した、ロレダーナ・デットはオルミの妻となる。この作品で出会い、オルミが好意を寄せ、今でも幸せな夫婦生活を送っているそう。

語らずとも、シーンや俳優陣の仕草・表情で感じとれる演出がすばらしかった。

今まで『明日へのチケット』しか観ていなかったことを後悔するくらいよかった。
『木靴の樹』も観そびれてしまったが、観られる限りの作品はみたいと思う。
最新作『緑はよみがえる』では、息子のファビオ・オルミが撮影監督としてカメラをとっている。

オルミに影響を受けた監督に、キアロスタミ、スコセッシが挙げられていた。
キアロスタミは納得。スコセッシも作中でオマージュしているものがあるらしい。
そちらも気になるところ。