ジャズ爆発チルド弁当ダンス

ルームのジャズ爆発チルド弁当ダンスのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.8
見終わった後、バッサリと髪を切ってしまった。
今になってじわりじわりと身に染みきている。
個人的な監禁映画ベストである『トゥルーマン・ショー』が「部屋」に閉じ込められた人間が「世界」に突き進んでいくまでを描いているのに対して、今作は突き進んだその後に重点が置かれている。
生まれた時から狭くて薄暗い小さな部屋だけが自分の世界だと信じていた五歳の男の子にとって初めての広い空や木々や母以外の人はどう見えるのか……。
基本的に彼の視点で話が進むため、大人たちの心情は子供の眼というフィルターを介して映し出される。
この点は『メイジーの瞳』を思い出した。
とにかく主演のジェイコブ・トレンブレイ君の演技が素晴らしい。
特に「怖い」という感情表現に関して言えば、演技のレベルを超えていたと言っていいかもしれない。
あと信じられないぐらい可愛い。
可愛い。
お母さん役のブリー・ラーソンも良い。
長年の監禁生活にすっかり憔悴しきってしまった様子がスッピン顔から伝わり、鬼気迫る表情で必死に息子を守ろうとする姿に涙腺がやられる。
『21ジャンプストリート』の彼女を知っているとより感慨深い(どのように感慨深いかと聞かれるとなんとも言い難いが)
監禁という特殊なシチュエーションを用いてはいるけど、「部屋」の存在によって世界や人との関わりの複雑さ、混沌から守られてきた親子の新たな環境での成長を描くとても普遍性に満ちた作品になっていたと思う。
何より『オデッセイ』にしろこれにしろ生きる活力を得られる映画はもう無条件に最高だし、兎にも角にも一刻も早く日本公開を。