ニタ

ルームのニタのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.0
てっきり監禁部屋からの大脱出映画かと思っていたが、半分は後日談だった!

想像を絶する苦難に見舞われた母子、世間の容赦ない目、苦悩する両親(孫を直視できないメイシーがリアル。男親特有の感情がひしひしと伝わった。母のJ・アレンはCIA上官ぽくなくて(←『ボーン』シリーズのイメージ)、まっすぐに娘や孫と対峙する良きばあばだった)。

ジョイの母親の再婚相手の温かさはよかった。
脱出後の世界に順応していく子を、なるべく自然に気にかけ、なおかつ尊重してあげる。成長していく子を見守る観点は『C'mon C'mon』を思い出させた。子供は可能性のかたまりなんだと感じる。

“歯“と”髪の毛”が象徴する母子の繋がり。
ルームでの子育ては、不自由を極めながらも正しかったことがわかる。母も子も勇気に満ちていた。
主演の2人には心を掴まれた。母子が辿る事象のひとつひとつの痛切な思いが胸に届いた気がした。

環境によって人は作られ、そして変わっていく。
2人が踏み出した世界が、脅威ではなく安心したものであることを願う。
ニタ

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