NARU

ルームのNARUのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.1
納屋に監禁された親子の脱出劇と、社会復帰後に起こる葛藤を描いた話。

独自の体験をしたこの親子特有の愛が巧みに描かれており、感動的だった。

物語は息子ジャックの視点で描かれる。
冒頭から納屋で生活しており視聴者には違和感のある映像が続くが、ジャックはそれ疑問視していない。
外の世界を知らないからだ。

そんなジャックが抱く感情や言動、脱出後に世界を認知し順応していく過程は美しかった。
それに反して、脱出後の母ジョイは葛藤し、心を病んで行く。
2人を観ていると、「現実でもこういう経過を辿るのでは…」と思わせるリアリティがあった。


ただ、気になることは2点あった。

1つ目は、監禁方法および脱出方法にリアリティが無い点。
あの施錠方法だと他にも脱出の機会や方法があるように見える。
それなのに、成功の可能性が低い“賭け”に出るのは違和感があった。

「絶対に脱出不可能」だと思わせるような厳重な壁や施錠の方が、脱出後のカタルシスも大きかったと思う。
(ただ、フィクションで描かれた監禁の手口が模倣された前例があるらしく、それを防止する為なら仕方ない。)

2つ目は、若干ネタバレなのでコメント欄に書きます。
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