deca

ルームのdecaのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
3.0
ん、これはどーゆー設定なんだろうと思いながら観てた。
んで途中で設定がわかる。
【ネタバレ含む】
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なるほど、誘拐されてこの部屋から出れないんだ。意味はわかった。
残酷な設定だ。
17歳から7年間監禁された成人女性と、監禁中に監禁者との間に生まれた男の子5歳。
監禁したクソみたいな変態男に心の底から腹が立つ。
そんな時にふいに始まる脱出プロジェクト、えっ、急に?感があるがちゃんと練らずに突然決行することになる。しかもプロジェクト遂行者は5歳の子供。

犯人に死ぬ程腹が立ち、親子頑張れ!と思ってるので、当然上手くいって欲しいと思いながら観てるが、ん?これ上手くいくのか?と不安になる。

死体を部屋の中で確認したら終わり、部屋の外で念のため確認したら終わり、トラックの荷台に乗せる時にカーペットがズレて中見えたり、うっとか声出しても終わり、荷台から飛び降りて近くの人に助け求める作戦だけど、降りた時に誰もいなければ終わり、降りて助け求めても、監禁者が家族の事情に口出すなと言って「まぁそーゆーもんですかね」って諦められても終わり、しかも犯人割とソッコー車に戻って子供置いてどっか行くけど、もうその時点で犯人詰んでるんだが普通そうするか?

ちなみにこの作戦、一度でも失敗したらその後警戒心はさらに強くなり、部屋に監視カメラ付けられたり、もう二度と脱出の機会はなくなることが濃厚な"生死をかけた超一大プロジェクト"だが、こんなザックリで始めてよいのか。

いや、監禁されて思考力低下してこうなってるとかこの映画の主題が脱出サスペンスではないとかわかるけど、【脱出プロジェクトの成功や外の世界への渇望感のリアリティというか臨場感】もうちょい出しても良かったのでは。

結果として、いろいろ超上手く行きまくり、警察に無事保護されママも全然無事で、大成功!!だが、人間を7年間も監禁する変態からの脱出、そんな上手くいくのか?!いって良かったけど、行くんだね!なら良かった!!という感じ。

リアリティという部分で、このような残酷な体験に対するナレッジがそもそも少ないから、何とか想像するしかないが、
【ママや子供の久しぶり&初めての世界体験】はあんな感じなのかな。外の土の感触やコンビニや車にもいちいち感慨あるんじゃないのか。
で、そこの描写よりも親子関係にフォーカスしていくが、あの犯人についてはその後映画では一切触れないんだ。
クソみたいな犯人に死ぬ程腹が立っているのでその後どのような裁かれ方とか社会的制裁を受けたのかも知りたいのに。
2時間という時間的制約の中でどこにフォーカスするのかは作り手の自由だが、そこなんだという感想でした。

意義ある設定だったので、その設定を成り立たせるに足るリアリティや描写がもう少しあると、少なくとも私はもっとこの映画のこといいなぁと思えたと思う。
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