kassy

ルームのkassyのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
3.9
7年監禁され、その間に産まれた息子ジャックと暮らすジョイは、ある日彼が5歳になった時に意を決して彼を脱出させようと試みる。

この映画の面白いところは、ちょうど映画の折り返しのタイミングで脱出することが出来、後半は脱出後の話が描かれている点である。

監禁されていた時の小さな部屋は狭くて外とは閉ざされていた不自由な空間だったが、親子はどうにかその中でも生き、遊び、楽しみ、2人寄り添って必死に生きていく。

しかし、外に出てしまうと
沢山の人の好奇の目に晒され、好意を持つ人、受け入れられない人、心無い言葉をかける人と触れ合う事になる。
部屋にいた時は考えなくてよかった思いにさいなまれる。

純粋な5歳の少年ジャックは時折、「部屋に戻りたい」という。
そんな彼がきちんと部屋にお別れをするシーンは、皮肉にも愛情を感じさせる。
いつもお母さんとそばにいられたあの部屋。あの部屋が少年の全てであり、幸せだった。

部屋の中と、外。
何が幸せなのか考えさせられる作品である。お母さん、ジャックがいて沢山救われたね。

ジャックが初めて外に触れた瞬間はとても清々しく好きなシーンだ。
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