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ルームのmegのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.5
17歳から監禁を受けた母親と違い、ジャックは「ルーム」で生まれ育つ。それゆえ母親とは捉え方が丸ごと異なる、皆が触れないようにする話題だがジャックはごく普通に「ルームに戻りたい」と話す。その大人と子供の捉え方の差というか、うまく表現できないけれどその違いに胸をぎゅっとする。
ジャックの目線に寄り添って見ている分にはいいが、ふとした時に第三者的立場としてジョイが「誘拐監禁されて性的暴行を加えられ相手の血を引いた子供を産む被害者」と捉えてしまう自分もいた。本当にうまく表現できないけどそんな自分に少し嫌気がさした。あの窓の外の野次馬やコメンテーターと変わらない。

タイトルがルームで、あらすじにも誘拐の単語がなく、事件自体を捉えずに人に焦点を当てている。
最後に部屋に行きまた一通りgood byeするジャックがジョイにさも普通かのように「ママも部屋にさよならして」といい、ジョイが口パクで「good bye room」と応え、二人の後ろ姿で本作は終わるが、その事件自体にさよならを告げて前に向かっていく風に捉えられて非常に沁みる終わり方でした。
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