FutosiSaito

ルームのFutosiSaitoのネタバレレビュー・内容・結末

ルーム(2015年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

 犯人像は特に描かない。そこが凄い。
 実話をもとにした映画だが、重点はむしろ「部屋」を脱出したあとにある。犯人の動機や、犯人の人物像は描こうとしない。
 むしろ、監禁から世界に順応するとはどういうことか、逆に監禁されたとこによる心的外傷はどう影響するかなど、丁寧に描いていく。
 母役のブリー=ラーソンはまさに熱演で、かつ、子を思う母親で、のちの『フリー・ファイヤー』の女丈夫(これがまた、かっこいい)とは大いにちがうので驚いた。
 また、ワイドショー的な報道のありかたについても問題提起する。プライベートを暴いてしまうことによる問題も。
 単なる実録犯罪ものでなく、世界との関わりや自立についても描く、深い作品だった。
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