おーたむ

ルームのおーたむのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.5
キャプテン・マーベルを演じるブリー・ラーソンのオスカー受賞作とのことで、見てみることにしました。
うーん、凄い。
見たことないタイプの作品でした。

監禁をテーマにした作品は色々あるんでしょうが、そのテーマでドラマ作品をというのは、見たことがなかったです。
監禁中だけでなく、脱出後も描くこの構成なら、ドラマとして成り立つんだなと、妙に納得してしまいました。

監禁中の異常な生活、脱出の緊張感、脱出後の苦難の場面も見ごたえがありますが、個人的には、幼いジャックと世界との関係性の部分が興味深かったですね。
これまでと全く違う世界に足を踏み入れたときに、彼が感じる戸惑いや感動、発揮する勇気にはグッと来ますし。
元いた“部屋”が、嫌悪すべき対象だと理解はしつつも、愛情を注ぎ暮らしてきた“部屋”を懐かしく思えてしまう複雑な気持ちには、考えさせられたりして。
最後、今度は自分の意思で、元の世界に別れを告げるときの頼もしい姿は、新たな世界に踏み出す勇気を、私たちに与えてくれてるような気がしました。
ジャックの言葉や行動は純粋で、だからこそ、見ているこちらにダイレクトに響く力を持っていたように思います。

この異常な物語を、母子の愛の物語として、また、一人の少年の冒険譚・成長譚として完成させた監督の手腕は、見事の一言につきますね。
個人的には、同年のアカデミー作品賞受賞作「スポットライト」よりも傑作のように感じてしまいました。

それにしても、本作の原作が実話を元にしているというのは、ちょっと、にわかには信じられませんでした。
7年もの間、納屋に監禁されるとか、そこで生まれ、5年間外の世界を知らずに育つとか、想像を絶します。
作中の登場人物の境遇を見て、自分が同じ立場だったら…と考えることは、誰しもあると思いますが、本作くらいその思いを強く促す作品も、そう多くはないのではないでしょうか。