監禁中の「部屋」での生活と脱出後の被害者を描くこの作品。
この作品の元となったフリッツル事件を知ったときは本当に衝撃でした。
この作品で最も注目してもらいたいのは監禁中の生活ではなく、部屋を出た後の親子が突然の世界の変化に何を感じどう変化していくか。
ジャックは部屋の中しか世界を知らず、外の世界で目に入るものは全て新しい。わくわくするのと同時に突然宇宙に放り出されたような不安を抱きながら過ごしていく。
部屋では多少わがままだった彼も外の世界を知り苦しむ母親を目の当たりにすることで少しずつ大人へと成長していく。
トラックから生まれて初めて外の世界をみたシーン、髪をお母さんにあげて僕のパワーを分けてあげるシーン、友だちと遊んでいるシーン、初めて犬をみたシーン、そしてお母さんが病院から戻ってきてジャックに謝った際のもうしないでねという言葉。涙が止まりませんでした。
一方で17歳で部屋に監禁されたジョイはようやく外の世界に戻れても、7年もの歳月が経ってしまったため自分の知っていた世界とは違う状況をなかなか受けいれられず自由になったはずなのに苦しみ続ける。
ジャックよりもジョイの方が辛いのではないかとおもいます。
被害者たちにどう接し、ケアしていくか。
難しいことだけれどもとても大切な事だと思います。
ジェイコブ君の演技にはいつも驚かされます。
将来が楽しみです。
