あやか

ルームのあやかのネタバレレビュー・内容・結末

ルーム(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

オランダで外界と9年接触せず地下生活を送っていた親子を発見、という事件を最近聞いて想起した映画。

〈小さな部屋〉で生まれ育ってそこから一度も外の世界に出たことも見たこともない男の子と、その母親二人の話

男の子はオランダの事件の子と同様にこの世界は自分たちだけだと思っていた。


こういう、拉致られてからの脱出モノって、脱出できて良かったね、チャンチャン、って作品全体のピーク(ハッピーエンド?)になりがちだけど、実際はそんなことないよね。
親子二人の闘いは外に出てからも続く


「なんでもっと早く逃げようとしなかったの?」「なんで抵抗しようとしなかったの?」「本当は同意してたんじゃないの?」…
自分の人生を取り戻すため、そして何より子どもを守るために決死の覚悟で脱出したにも関わらず外の世界で羞恥や侮蔑、好奇の目に晒される親子。

〈小さな部屋〉の世界しか知らなかった男の子にとっての脱出後の世界は広すぎる。

広い空も風も雨も雪も、外の明るさも感じたことがない、経験したことがない。
道端の花も、自動車も、高くそびえ立つビルなんてもちろん全てがこの子にとって初めてで混乱・不安が止まらない。


親子の闘いはまだまだ続きそう
だけど決して悲観的じゃない
新しい人生が待っている
これからはもっと広大な世界で、自由に強く生きていくんだろうなと思わせてくれる親子だった。
あやか

あやか