このレビューはネタバレを含みます
予告編が興味深かったので観てみました。
ブリー・ラーソン、ジェイコブ・トレンブレイ君という実力派の共演です。
ラーソンは本作でオスカー(主演女優賞)を獲得してます。
外の世界を知っているお母さんジョイと知らない息子ジャックが地下の納屋で監禁されていて、脱出を試みるというストーリー。
地下で生きることにあまり疑問を持たない息子とどうにかして抜け出せないか葛藤する母親の演技、素晴らしかったです。
真実を告げられ困惑する息子と抜け出したい思いが募る母親が衝突する姿も見事でした。
脱出劇のときはスリリングでドキドキしました。
脱出成功で作品が終わると思ってたのですが、思いのほか早い段階で脱出。
どうするんだろうと思ったら、そこからがなかなかヘヴィー。
息子ジャックは最初こそ戸惑うものの次第に外の環境に慣れていく。
それは今まで知らなかった世界を体験してるだけだから苦ではない。
逆に、母親ジョイは誘拐される前を思い出し、現実に絶望する。
それは過去の普通に暮らしていた外の世界を知っているがゆえ。
自分が苦しんでいる間に色々な環境が変わっており、パニックになり苦しむ。
次第に追い込まれ自分を見失う。
この対比の表現が非常にリアルでした。
結末も息子ジャックにとってはあっさり、母親ジョイにとっては重いものでしたが、
一歩前へ進むことができたので良かったと思います。
とにもかくにも、2人の演技が抜群でした。
渋い作品ではありますが、確かな演技力が光る作品です。
以上、「ルーム」レビューでした。