Toku

ガールズ&パンツァー 劇場版のTokuのレビュー・感想・評価

5.0
映画とアニメの力を感じる。私にとって、この映画は救いだ。
少女たちの「青春の絶望的危機」を努力によって乗り越えて行く。学園艦の廃止、さらに住む人々を人質にとられてもなお、少女たちはささやかな日常を続けるべく「大きい力」と戦い続ける。
最終的に勝ち得た日常は、果たして未来永劫確約されたものなのか。それとも束の間の日常なのか。
日常とは、かけがえのないものであると同時に、努力しなければ自動的には続かず、あまりにも不安定であると思い知らされる。
ガラスのように繊細で、脆いもの。それが日常であり、幸せな人生であり、意識的/主体的に自ずから守り続けなければならないのだろう。

これは少女たちだけの物語ではない。
水島努の高い要求に応える制作者(おじさん)の努力の物語でもある。
この物語に登場する少女たちは、おじさんたちのたゆまぬ努力を表象しているのだ。
大傑作の映画である。

ガルパンはいいぞ。
Toku

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