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ガールズ&パンツァー 劇場版のfumingのレビュー・感想・評価

4.7
テレビシリーズ後のエピソードを描いた劇場作品。
今までのライバル達と手を合わせ新たな対戦相手に挑む、というストーリー自体は非常にベタなものであるものの、その王道さが明快で観ていて誰もが楽しめる一作である。小難しい設定等も無く、たとえテレビシリーズ未視聴であっても問題なく楽しめるのではなかろうか。
また各シーン次々と見所や二転三転する展開のオンパレードであり、視聴者を全く飽きさせない出来映え。全編見所ともいえる内容は、テレビシリーズ12話分よりも本作1本のほうが密度が濃いといっても過言では無いだろう。
作品自体も戦車をテーマにしたものであるが、純粋なミリタリーもののような泥臭さや殺伐とした要素は薄く、むしろスポーツものの爽やかで健やかな作風である。特に本作は多くの仲間と力を合わせ、困難に立ち向かい、さらにぶつかった相手とも絆を結ぶいう友情や努力、そして青春の美しさ素晴らしさが存分に描かれている。アニメだからと毛嫌いせず、万人に一度は観てもらいたい映画である。

余談だが本作はテレビシリーズに比べて砲撃音など戦車への音作りが三割増しくらい凝ってある。一般的な音響でもその違いは感じられるであろうが、より良い設備の環境で鑑賞するとその差がはっきりとわかる。各劇場の音響聴き比べ等で本作を楽しむというアプローチも可能であり、その辺りもやはり映画として秀逸な一作である。
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