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Maiko ふたたびの白鳥の小のレビュー・感想・評価

Maiko ふたたびの白鳥(2015年製作の映画)
4.0
先日鑑賞した『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』で、アイリスの名言に「子供は望まなかった。全てを手に入れるのは無理だとわかっていたから、キャリアと旅行を選んだ」というのがあるのだけれど、この映画は子供とキャリアを両立しようとする女性のドキュメンタリー。どっちの生き方もアリだと思うけど、後者の方が胸が熱くなる気がする(私は前者の方が好きだけど)。

ノルウェーを拠点に活躍する世界トップクラスの日本人プリマドンナ、西野麻衣子さんのドキュメンタリー。

15歳でイギリス留学した彼女からはとにかく強さを感じる。ノルウェーの国立バレエ団でトップバレリーナのプリンシパルに登りつめたその強さの核は両親、特に母親の愛があってのことだということがよく伝わってくる。

そんな強い彼女だからこそ、30代で産休・育休した直後にプリンシパルとして、しかもクラシックバレエの中でも難役とされる「白鳥の湖」に挑むことを決意する。母も見守る中の本番、果たしてどうなるのか。

ちなみに、私の娘も3歳くらいから小学校低学年までバレエを習っていて、舞台にも何度か上がった。幼稚園当時は、バレエというよりはほとんどお遊戯。衣装が黄色いから、個人的に「ピヨピヨバレエ団」と呼んでいた。

娘も小学生になると、演技にスピンをする場面がでてきた。センスの問題が大きいとは思うけど、これがなかなか難しいらしく、家で文句を言いながら練習していた。

という底辺の苦労、演技を見ていたので、国立バレエ団のプリンシパルの演技は、この映画の映像で見るだけでもゾクゾクする。「白鳥の湖」で黒鳥の32回転をキメた時は「すげぇ」と思わずつぶやいてしまった。

トップとして返り咲いた彼女。年齢には勝てず、その座を譲る時がくるだろう。その後、どのように変わっていくのかも、是非知りたいところ。
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