小

ボブという名の猫 幸せのハイタッチの小のレビュー・感想・評価

3.9
ロンドンでストリート・ミュージシャンとして生計を立てるもホームレスホームレス同然の生活を送るジェームス。薬物依存で親にも見放され、生きる希望を失っていた彼のところにある日、一匹の野良猫が迷い込んでくる。

一度は野に帰すも、足をケガして舞い戻ってきたその猫は近所の若い女性にボブと名付けられ、ジェームスはなけなしの有り金をはたいて看病する。それ以来ボブはジェームスのそばを片時も離れず、一緒に行動する。

彼が路上で歌うとき、ホームレスの社会復帰を後押しするビッグイシューの雑誌を売るとき、肩に乗っていたり、得意のハイタッチを見せたりするボブはたちまち人気者になる。

ボブのおかげで社会に居場所ができたジェームスは次第に立ち直っていく。そしてボブが見守る中、薬物中毒更生の最終段階、数日間の薬抜きを始めることにする。

ジェームスはどんな時でも片時も離れず、自分を頼りにしてくれるボブに救われる。私は神を信じていないし、猫に意志があるとも思っていないけれど、彼のもとにボブがやってきた偶然には運命的なものを感じてしまう。

ただ、どんなに人懐こい猫がやってきたとしても、それだけで立ち直ることはできない。ボブに与えてもらったチャンスをモノにしたのはジェームスの力。

優しい彼はボブに食事を与えるためにも頑張って生きようとする。そしてボブもまた生きるために、人の優しさを見抜く力があるのかもしれない。命は強く、美しい、そんなことを感じた映画。

●物語(50%×3.5):1.75
・シンプルだけど、ちょっとジーンとする。

●演技、演出(30%×4.5):1.35
・ボク役として本物のボブがほとんどのシーンを撮影。ボブがかわいい。猫好きでなくても好きになりそう。

●映像、音、音楽(20%×4.0):0.80
・ボブの視線映像、ボブのアップ。猫も人と対等のパートナーとしての映像が好き。
小