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ボブという名の猫 幸せのハイタッチのoldmanSEヨKのレビュー・感想・評価

4.3
【ネタバレなし】
予告と先入観で、いかにも!って感じな動物モノかなぁ〜と、危惧していたんですが違いました。
むしろ、本当に力のある人達がちゃんと作ったように感じました。

大まかな話の流れは”動物モノ”なんですが、ジェームズのホームレス生活や薬物依存の描写の方をシリアスに描くことで、出来すぎたようにも感じる実話を真剣にしっかり作り、見ごたえある作品に仕上げたと思います。

なにより演じたルーク・トレッダウェイの、いつ息絶え翌朝道に転がってもおかしくない位の、死亡フラグ立ちっぱなしのジャンキーぶり(治療中)の雰囲気が凄かったです。
その彼が更に猫を連れて街を歩くという、意外と現実的な危うさや怖さもの描写も、本人たち側と一般通行人側両方の目線でちゃんとしっかり撮ってたり…。(逆に猫目当てで無条件で寄ってくる人も、個人的になんかちょっと怖さを感じました)

家族との関係も、ありがちというかベタな設定だったりするんですが、それぞれの人物の関係や演技を繊細に描くことでシラケさせない、説得力のあるシーンになっていて作り方の上手さを感じました。
父親や更生担当者とか、やっぱりこの手の物語では本当に”記号”になってしまいそうな役の俳優たちが、ちゃんと複雑な人物像を演じていて、ストーリーに深みを与えていたように思います。

これだけ映画本編がシリアスだっただけに、ポップ過ぎるポスターがちょっと違和感…と言っても公式だから仕方ない…でも残念。(サブタイトルは論外)

猫のボブが演奏中のジェームズの肩やギターの上に乗ってて、よく撮ったなぁ〜と関心してたら、ご本猫だったんですね〜。

あと…実話でベストセラーで話題にもなってて、自分は知らなかったけど結構お祭りだったんですねぇ…その割にはご本人の歌はあまり耳に入ってこな…?…やっぱ才……ゲホッ、ゴホ…
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