ロンドンの赤い二階建てバスで相棒ジェームズと通勤する茶とら猫ボブ
見晴らしの良い二階フロントガラス越しパノラマ景観を望む特等席がボブの席
猫は自分にとって一番快適な居場所を本能的に知っているんだよね
バスから見える噴水広場のライオンの石像を指差しジェームズが言う
『ライオンだ!ボブ
お前もライオンみたいだな!
負けてないぞー、笑』
たしかに、ボブには威厳があった
なにものをも怖れない威厳
人混みもなんのその!平気な面持ちで闊歩する
基本、猫は飼い主と散歩なんぞしない
出来ないーというべきかな
猫=怖がりの図式があると思うんだけど
うちの猫なんか親が泊まりに来た3日間、家のなかで姿をくらまし完全に気配を消していた。
でもボブは違う!
ハーネスを着けてもらって街に出る!
自由を満喫するかのように…
知らない人に触られても平気!
相手を真っ直ぐに見つめる眼差しはまさに思慮深い雄々しさに溢れてる
好奇心いっぱい寄り道ばかりのボブに、ジェームズが言う
『ボブ。日が暮ちゃうよ
僕の肩に乗るかい?』
その日から彼の肩がボブの定位置になった
ボブは街行く人の笑顔を誘う。
優しい思いやりがボブに注がれる。
人を癒すちからがボブには備わっているのかな
薬物からの脱却に苦しむジェームズにさりげなく寄り添うボブ
ジャッキーと罵られ、冷たい視線に晒された路上生活
再建を図ったストリートミュージシャンジェームズの唄にあわせて、ボブのしっぽもリズムを刻む
次第にその姿は人々の関心を味方につけて、本になり、映画になり!ソレガコレ
『ボブ!やったな!ハイタッチ!』ニャン!パチ!
猫は居心地の良い場所を知っている
ボブが選んだのは優しいジェームズの傍
格別に居心地が良いンだね♪