TAK44マグナム

美女のはらわたのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

美女のはらわた(1986年製作の映画)
3.3
人はビルの屋上から飛び降りるとスイカになって割れるのです!


↑みたいな、イメージカットが大好き(?)ガイラこと小水一男監督の「処女のはらわた」に続くスプラッターポルノ第二弾がこちら!

一般的には「処女のはらわた」よりもこなれている感がある本作の方が評価が若干高いような気がしますが、どんぐりの背比べじゃないですかね〜。
ただ、ドラマ部分は強化されていて、それなりにストーリーがちゃんとあります。
でもロマンポルノなので、やはり濡れ場が最優先なのは変わりません。

冒頭、吉沢健演じるインポのヤクザが、定食屋で「ピンピンになる料理」をかっ喰らっています。
ビンビンではなく、ピンピン。
一万円札をおいて、「釣りはいらねえよ」
あれま、バブリーな時代ですな。
そんな場面から始まる本作の内容とは・・・


ヤクザの男に騙され行方不明になった姉を探す少女。
男を見つけ出したまではよかったが、ヤクザに捕まり輪姦されてしまう。しかも、謎の合成麻薬エンジェルレインまでうたれてしまい、意識が朦朧としながらも隙をみて逃げ出したが行き倒れてしまった。
それを助けたのは精神科の女医。
少女から経緯を聞いた女医は激しい憤りをおぼえる。
しかし、錯乱した少女はビルの屋上から飛び降りて死んでしまうのであった。

見ず知らずではあっても正義感の強い女医は少女の復讐を誓い、発端となったジゴロ男に近づく。
精神科医ならではの強力な催眠術で男を「ヒットマン」に仕立て上げることに成功、復讐はうまくいったと思われたが・・・


この前半は全くホラーじゃなくて、何だか「必殺仕事人」や「ザ・ハングマン」のよう。
よく知らない少女のために義憤に駆られる女医さんを演じる小沢めぐみが、その棒読みのセリフまわしも含めて初期の沢口靖子みたいな雰囲気で大変よろしかったです。
いまではよいオバちゃんでしょうけれど、綺麗な女優さん。
そんな綺麗な人が肉親でも友達でもない、一夜の患者のために一肌脱ぐどころか股まで開いてしまうのはかなり強引なシナリオですが(しかも手コキまで披露)、この「後催眠」にかける場面は馬鹿らしくて面白い。
精神科医だからって「グランドイリュージョン」のウディ・ハレルソンなみの催眠術使いっていう設定からして笑えます。


その後、ようやくホラーぽくなり、スプラッターの面目躍如な人体破壊シーンへと雪崩れこみますから安心してください。
催眠術のせいで兄貴分に斬りかかった男はバラバラにされ、罠にはまった女医さんは少女と同様に輪姦、エンジェルレインをうたれて速攻で廃人化。ヒドイ!
しかも過剰摂取だったからか、女医さん死亡!
あばれる君みたいなチンピラが2人の死体を埋めに行かされます。
すると、エンジェルレインの副作用で(?)女医さんとバラバラにされたジゴロ男が超融合をはたし、全身真っ赤っかでデロデロな怪人が爆誕!!
何故そんなことが起きたのかは華麗にスルーされ、あばれる君みたいなチンピラは哀れ二つ折りにされて死亡、もう1人のチンピラは頭部を粉砕されてしまいます。

復讐のダークヒーローとなった女医さん(デロデロ怪人から変身を解けるらしい)は残りのヤクザをブチ殺すべく、セックスに励みますよ!
姐さんなんて、「エイリアン」に出てくるチェストバスターみたいに牙の生えたギンギンのチンコをゴリゴリと挿入されて昇天、チェストバスターチンコが腹を喰い破って絶命DEATH!


前作と比べればゴアシーンは少しパワーアップしていますけれど、一番悪い吉沢健はもっと無残に逝ってほしかったですね。
ある意味、無残といえば無残ではありましたが・・・。


復讐モノにしてはシナリオが強引なのが災いして、女医さんの行動にあまり共感できないのが痛いし、ジゴロ男がそんなにイケメンでないうえに女子を騙すことを悔いているというのも無理があるような気がするのですが、エログロなダークヒーロー(ヒロイン)の誕生譚として楽しめました。
ただし、濡れ場の殆どがレイプシーンなので、そういった描写に抵抗のある女性には向かないと思います。お気をつけください。


アマゾンプライムビデオにて
※ドラッグを注射するカットがモロにあるのに18禁の制限がかかっていないのは、ちょっと謎です。