明るさと温かさがあり、年を重ねた理想の夫婦像がここにある。だから、とても好きな作品。夫婦を演じるモーガン・フリーマンとダイアン・キートンがいいコンビ。特にダイアン。
NYという忙しない街で、40年も住み続けたアパートを売るたった慌ただしい2日間のお話だけど、その中で穏やかな空気が漂うシーンも多く、その雰囲気がとても素敵。音楽と景色の美しさや夫婦関係の良さが際立ちます。
今の家を売ろうとしながら新居を探す。その中で、夫婦が歩んできた人生も振り返る。この家と共に、2人でいろんなことを乗り越えてきた。この思い出の場所を明け渡すには、お金も大事だけど、それに見合う人に譲りたい。そんな家に対する思いや愛犬、お互いを尊重し助け合い、理解しあっている様子から、子供のいない夫婦ゆえに、より一層深い絆を感じる。そしてこの夫婦の在り方が、個人的には理想的で、とても観ていて心地よい。
「いい眺めは若者が見るもの」
何か目的に向かって羽ばたいていくために、上を向いて力強く歩んでいくために、若者に必要なことだというイメージが自然と繋がる印象的な台詞だった。
このアパート売却騒動を通して、大事なものが何なのかということに気付き、自分たちの在り方を取り戻す。年を重ねた夫婦を通してこそ描ける素敵な物語。
