名優モーガンフリーマンとダイアンキートンのほっこり系ドラマ。
二人とも芸達者なので安心感、安定感があるためゆったりとした気分で楽しめる。
長年暮らしたアパートを売りに出し、新居を探す。ニューヨークの不動産売買は入札で値決めするんだな。
へー。
っていう、あまり知らない世界を知る。
その中で、若いときの話をちょこちょこインサートして、二人の出会いからこれまでの時間を描き、キャラクターに深みを与える。
子供ができないことに関して、夫は「僕が君の子供だ」と言って慰めるのがいい。
子供のできない夫婦へのエールだ。
同時に並行して、イスラム系によるテロと思しき事件が起こり、マスコミは煽りまくっている。
カラ騒ぎ
最終的なテーマが最後の方で提示されたのだ。
何故、黒人と白人の夫婦である必要性があったのか。
不動産売買をテーマにしているのに事件のことを何度も触れるのか。
人種差別や偏見に満ちたマスコミの報道と、夫婦のこれまでの人生を描く中で大事なことは何なのかを再度考え直し、振り出しに戻る選択をする。
しかし、ニューヨークは絵になる。
これだけで映画体験として充分だ。
円熟の大物の演技と相まって、良作となった。