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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男のCOLORofCINEMAのレビュー・感想・評価

4.5
●トランボを演じたブライアン・クランストンをはじめ妻クレオ役のダイアン・レイン、娘ニコラ役のエル・ファニングとキャスティングのバランスの妙。

●"ジョン・グッドマンの出てる映画はいい映画"という格言があるが本作も、その格言はいきている。
実名では脚本が書けないトランボ(他の脚本家など)に、とにかくB級映画をどんどん量産したいプロデューサーのフランク・キングが圧力など"なんのこともない!"とばかりに依頼する。

●ジョン・ウェインやカーク・ダグラス、MGMのルイス・B・メイヤーなどの実名登場と共に『ローマの休日』などの本編映像も出てくるバックステージものとしてのお楽しみも多々。

●なかでも、いちいち自分の名前を連呼するオットー・プレミンジャー監督の件(くだり)は笑った(しかも似てる!)。
才能が"実態のない脅威"を凌駕していく話は痛快。
(しかし、いつの世も似たような出来事が起こりえるわけで…)
そのプレミンジャー監督。どこかからカーク・ダグラスが依頼した『スパルタカス』の脚本を入手していて自分の『栄光への脱出』の脚本をトランボに依頼する。
「もし脚本の出来がよくなかったら実名で公開するからな」
と、実に粋な言葉を返す。
その前に「チケットの不買運動を起こす」などといった圧力にも屈せず制作を続けたカーク・ダグラスと共に2作品でとランボの名前が実名でクレジットされる。
(プレミア試写でトランボの眼鏡に映る自分の名前!奇しくも両作品のタイトルデザイナーがソール・バス!)
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