ゆっけ

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男のゆっけのレビュー・感想・評価

4.0
『ローマの休日』の脚本も手がけた、いくつもの偽名で作品を作り出したダルトン・トランボの半生を描いた映画。

偽名にしなければいけなかったのは、1947年以後の、アメリカで起こった“赤狩り”騒動に起因するのですが、社会派映画や実話ものを描いた映画というわけではなく、彼と彼の家族の生き様を描いたヒューマンドラマだと思いました。

その意味で天才数学者、ジョン・ナッシュの半生を描く物語『ビューティフル・マインド』とも似ているなと感じました。

ソ連との冷戦真っ只中だったということもあり、共産主義に加担しているとみなされるものを(ソ連のスパイと疑い)弾圧していったんですよね。

主義、主張って、伝え方によってはある種過激なものと捉えられることがあります。映画って、多分ハリウッド黄金期以降アメリカにとって、リベラルなものとして扱われることが多かったのでしょう。(全然関係ないですが、はたや日本では映画の影響力の弱さというか、商業的な映画に偏ってしまうのも悲しい現実、、、、)

社会主義の思想が含まれていると思われ、映画の影響力の強さから、共産主義者に対して業界から干されたわけです。

腕はあるのに、仕事は来ない。
だから、偽名を使って、家族を食わすために安請負して仕事をするわけですが、、、、

家族もまた、苦しむんですよね、自分の父親が何をしているのかを大っぴらに言えないですから。

トランボの妻や娘の想い。そして、トランボが家族に対して感じている想いが最初とラストに現れているのですが、感動的です。

妻に贈る演説のシーンやエンドロールの娘に対してのメッセージも素敵です。


若干、監督や役者など、周りにいる人や
劇中で流れる『黒い牡牛』『スパルタカス』、『栄光への脱出』『パピヨン』などを知っていれば、もっと楽しめると思います。