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超高速!参勤交代 リターンズのmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.7
《侍の映画》、Vol.19。『超高速!参勤交代 リターンズ』。ラスト、2本。

1作目が思いのほか面白かったから絶対観ようと思ってて、やっと観れた。
期待通り、期待を裏切らない面白さ。
この感じを観たくて観た。

これまた松竹らしい、とてもスピーディーで、ライトで、優しく、ほっこり。
でも決して、負けず、奢らず、屈せず、強くある。

金や権力や私欲に塗れず、常に民に寄り添う藩主。
むしろ、厚かましく、民の生活に差し出がましいほどに食い込んで思ってくる藩主。

前作で、死に物狂いで江戸に参勤を果たした御一行。
驚いたのはこの続編。
“リターンズ”と聞いて、“もう1回参勤”かと思いきや、違った。

“リターンズ”、戻る。
そう、前作が江戸への“参勤”。
今回は、江戸からの“交代”。
参勤交代は、“参勤”して“交代”するから参勤交代。

日本史の歴史で習ったことを思い出した。
1往復で1イベント。
参勤交代という意味では、この続編観て完成。
そういうことだった。

今回も相変わらず松平、陣内孝則。
こいつがまたこの佐々木蔵之介一行が気に入らなくて、前作の仕返しをすべく、性懲りも無くまた色々仕掛けてくる。

それにもめげず、少数精鋭で、降りかかる悪のリベンジに、リベンジだー!と。

この西村雅彦が最高。
頼り甲斐があるのかないのか。
ご家老として「早く策を出せ、時間ないから早く、、、早く」といじられて、「えぇ、、、えぇ、、、」とか言いながら、速攻で策を編み出し、九死に一生を得る。
おどおどしながらしっかり仕事するご家老。
それ以外はてんでダメ。それが最高。

よくよく見れば、藩主含めてこの御一行みんなが頼り甲斐があるのかないのか。

それでもとにかく民を第一に考え、我が身を顧みずに無茶ばかりの藩主。
そして、その藩主になんやかんやと文句を言わずについてくる家臣達。

この結束力。
頼り甲斐はないけど、必ずどこかに秀でた才を持ち、その能力を存分に発揮する家臣達。

周知結集と、以心伝心と、無性の献身性と、根性と優しさがあれば、数名の田舎侍でも、幕府の軍すら退ける。

最後の戦のシーンは『13人の刺客』以上に多勢に無勢の圧倒的不利さ。だけど、それでも立ち向かう、民のため。

テンポ良し、笑いよし、人情よし。
人情時代劇エンターテインメント、ここにあり。
『殿、利息でござる!』と連続ホームラン。

そして、深キョン。もう文句なし。深キョンは永遠です。
このお転婆なんだけど、自分の生い立ちに負い目を感じながらも佐々木蔵之介についていく感じ。
もう堪らん、素敵。

『殿、利息でござる!』で山本舞香。本作で深キョン。
これも個人的連続ホームラン。場外ホームラン。
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