このレビューはネタバレを含みます
面白かったけど、邦題がマズかった。
このタイトルだと、料理やシェフのコメントばかりがズラズラと流れる作品を想定してしまう。
勿論そういう場面もあるけどこの作品は同時に、インターネットの普及によって誕生した「ブロガー」、彼等によって劇的に変化したレストランの事情も取り扱っている。そちらの方が個人的には面白かった。
手軽に誰でもレストランの批評を世界中の人々に読んでもらえるようになった現在、ファミレスなどのチェーン店の強みだった「経済力」にモノを言わせた宣伝よりも「口コミ」が力を持つようになった。それは、個人経営で地道に頑張ってきた店にとっては、非常に有り難かったと思う。どんなに美味しい料理を作っても、価格競争で負けて潰れた店は沢山あるからね。そういう店を減らすという意味では良かったと思う。
しかしその反面、本当に「味が分かる」かどうか怪しい人達によって不当な評価を得た店も少なくない。
結局、最後に頼りになるのは自分の感覚。それをより一層求められる時代になったということ。
ミシュランガイドもブログも、人間が作ったものである以上必ず「主観」が入っているから。
そしてこの作品が伝えたいことは、実は今の自分にも繋がっている。料理同様映画も、沢山の人のブログによって、マイナーだけどいい作品をより多くの人が知ることが出来るようになった。しかし同時に、不当な評価を受けることになった作品も多い。
そんなことを考えると、この日記で感想を書くのが複雑な気持ちになる。