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モンスターズ/新種襲来のslowのレビュー・感想・評価

モンスターズ/新種襲来(2014年製作の映画)
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一応『モンスターズ/地球外生命体』の続編らしい。例によって評価よりは質の高い作品。間違いはモンスターズなどという風呂敷を広げてしまっていること。それは前作にも言えたことだ。せめてジャケットの怪獣大戦争感をやめれば誤解も減らせるだろうに。物語の主軸となるのは人類同士の争い(アメリカ軍vs中東武装勢力)。これが意外と生々しい。戦争自体に切り込んで行くというよりは、ある部隊の兵士たちに焦点を絞り描いていて、この手のシリアスはキャスリン・ビグローをちょっと想起させるけれど(『ローン・サバイバー』などにも近いかも)、そこにプラスされるモンスターというふわっとしたSF要素を受け入れられかどうかで評価は真っ二つとなる。シリーズを通して、この恐ろしいはずのモンスターに癒されている自分がいる(もはやモンスターは野生動物のような存在であり、もしかして放っておいたら無害なのでは?と感じる程に仕掛けてこない)。海洋生物のように鳴くそれらが、愛や生命力のシンボルのように現れるのもこのシリーズの面白さ(実際はモンスターによる被害も甚大で、対モンスター戦の流れ弾が、新たな争いの引き金となっていたりもするのでしょう?)。しかし、前作より、その世界観の融合がやや不自然というか、取って付けたような仕上がりになっていて、前作が好きだった自分としては微妙に感じてしまった。資金に余裕ができたから監督にも迷いが?と思っていたら、監督ギャレス・エドワーズじゃない…?共同?どうであれ、前作同様(それ以上に)おすすめし難い作品となっていた。
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