良くも悪くも世界の悲惨の真ん中あたりにあるように見える(時には象徴的に敵視される)クラシック音楽は、難しく考えずに近くから見るとおいしい空気やあたたかい食事のように、滋養となる日々の糧のようだ。
オーケストラが訪れた治安の悪い南アフリカの街の自らも演奏をする女の子、仲間に知られないように密かにクラシック音楽を愛するタクシー運転手など、人々の日常に差し込まれる音楽のありかたが印象に残った。
コンサートに来れなかったチョコレート屋の店員さんにオーケストラのバイオリン奏者の2人がプレゼントするバッハの協奏曲が、しみた。