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スイッチ・オフ/森へ 少女ネルの日記のSPNminacoのレビュー・感想・評価

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なんだこのトンチキ邦題は!やや近未来っぽいカナダの山奥で、いきなり訪れた終末をサヴァイバルする姉妹。マッドマックス寸前らしき状況とは裏腹に、ダンスや森を捉えた美しい映像にマックス・リヒターの音楽が繊細なムード。っていうか、森の中の小洒落た家で電力はなく食料もガソリンも乏しいのにあまりにノープラン。あっという間に月日だけが経ち、おいおい森で野草とかキノコとか採ろうよ魚釣ろうよイノシシ狩ろうよ保存食作って冬に備えようよ!と困惑しまくり。
だが終盤、ようやくこの映画の本質が見えてくる。なるほど、これはシスターフッド&フェミニズムの寓話なのだ。姉妹がエヴァン・レイチェル・ウッドとエレン・ペイジなのも納得。父、彼氏(マックス・ミンゲラ!)、店主の3人の男は与える者、愛する者、奪う者であり、彼らの展開と朽ちていく家やその結末も非常に寓意的なので面白い。
ただ、必然の意図なんだろうけど、やっぱり前半のサヴァイバル能力(やればできるのに)の欠如がやたら気になってしまうのは惜しい。
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