クロ

帰ってきたヒトラーのクロのレビュー・感想・評価

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
4.0
2019.7以来、2度目の鑑賞。

最初はコメディタッチで、ヒトラーも現代では滑稽にしか見えない。でも笑いながら見ていると…。
最後は背筋がヒヤリとする。

1930〜40年代のことだと他人事だが、現代にヒトラーのような人物が現れたら?
人々の反応は?あの時と違う選択ができるのか?

人種差別的な層を取り込むのは簡単だ。移民受け入れに不満を抱く人たちも。倫理的なハードルは笑いのネタとして提供されると驚くほど簡単に下がる。現状の不満を、何かを排除することで解決できると考える人たちを煽るのはたやすい。
みんながリベラルな社会を望んでいる訳ではないと、ここ数年で思い知らされた。

原作の小説が2012年、映画が2015年。
で、トランプ政権誕生が2017年(選挙は2016年)。
トランプ政権は4年で終わり、アメリカは何とか別の選択が出来たのだけど、もし今がコロナ禍ではなく、戦争の気配が濃厚な時代だったらどうだっただろう?と思う。

ドイツ人と日本人は気質が似ているところがあって、これそのまま日本の話としても通じるよね。


ところで、今回はたまたま吹替で見たのだが、ヒトラーの声を飛田展男さんがやっており、声だけ聞いているとペンギンズの隊長と被って面白かった。ザヴァツキと話していると「まだまだ甘いな新人」とか言い出しそうで。
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