デロング

帰ってきたヒトラーのデロングのレビュー・感想・評価

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
3.8
独裁者ヒトラーが現代のベルリンにタイムスリップしてきたらどうなるかというブラック・コメディー。

最初は、今の世界に馴染もうとするヒトラーとTV局をクビになってしまったサヴァツキとのロードムービーな感じでほのぼのした場面もあって笑えるんですが、映画が進めば進むほど考えさせられるし、大爆笑している自分が怖くなってくる映画でした。

でもクリーニング店でのヒトラーは笑わずにいられません。(^^)

序盤はヒトラーが街の人々にインタビューするドキュメンタリー形式でドイツ国内での貧困問題や移民問題など社会への不満をぶちまけていく。モノマネ芸人だと思っている街の人達がヒトラーと笑いながら対話してる場面はやっぱり不自然に見えてしまう。

段々とドイツ国内でも人気が出てきたヒトラーのTVでの演説。過激な発言はあるものの自信に満ちていて説得力もあり、国民ひとりひとりの心を掴んでいく。今現在、またヒトラーのような人が現れたら国民は支持するのかと考えたら恐ろしいシーンでした。

当時もヒトラーを選んだのは国民であり、間違った歴史を繰り返さないための警鐘のように感じる映画でした。それはドイツだけじゃなく他の国でも同じ事が言えるんじゃないかと思いましたよ。
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