ラール

帰ってきたヒトラーのラールのネタバレレビュー・内容・結末

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

この作品の舞台は2014年だけど、社会が抱える問題はこの3年間の間に悪化していると思う。その上でこの作品を観ると、色々と気付かされる事が多かった。
統計で見ると当時のドイツにおけるナチ党の支持率というのは日本でのイメージほど高くはないけど、「最初はみんな笑ってた」という老婆の言葉から考えると、熱心な支持者が中心となってフィーバーを作っていった様子がなんとなく想像できる。
ヒトラーが現代のネオナチを見て呆れるシーンを観て、いくら現代人が旗やイデオロギーで武装しても、当時の人間にあった苛烈さや恐ろしさまでは真似できないものだと思った。
急速な移民・難民の流入に不満を持つ人々の意見もかなり描かれる一方で、最後には「気付いた時にはもう遅い」というメッセージをガツンと伝える手法は衝撃を受けた。
かなり話題になってた作品なので気になってはいたが、いざ観るとギャグとメッセージ性のバランスがとても良く、現実の政治家やデモの映像を使うことでリアリティもあって、とても満足できる内容だった。
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