LEONkei

帰ってきたヒトラーのLEONkeiのレビュー・感想・評価

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
3.0
〝誰もが完璧ではない〟

誤解を与えずに言うが、映画の中のヒットラーの言葉は間違ってはいない。
間違っていないは誤りか…自分は理解し賛同すると言った方がいいのかもしれない。

ヒットラー率いるナチス党の〝国家社会主義ドイツ労働党〟は、世界恐慌により大量の失業者や共産党との対立など社会情勢不安なドイツ国民にとって保守・リベラル問わずあらゆる層に支持され国家理想の政策を掲げた。
ヒットラーを正当な選挙で選んだドイツ国民も、その矛盾と方向性など無理ある政策が次第に全体主義へと変貌し恐ろしい道へ突き進む悲劇。

人間は完璧ではない…全ての人々に有益な政治などあり得ない。
理想を目指すのは良いが、現実から目を背けてはいけない。

映画は映画としてB級感満載で、これをドイツで製作したことに賛辞を送りたい。
こういうブラックジョークを現在の日本でも製作できないかとも思うが、日本の歪んだ戦後教育と自虐主観の蔓延、なにより左寄りで固められた映画界ではジョークも通じなさそう。

ヒットラーが現代に蘇ると言う発想は面白いが、これは現在のドイツ国民の言葉には出さないがココロの中で秘めている声でもある。(どの程度の人数かは分からないが、かなり多いはず)

人々の秘める思いを形にするシンプルな構造は、製作者としての当然の行動だろう。
良い悪いではなく、モノ造りの原点を観たような気がする..★,
LEONkei

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