Punisher田中

帰ってきたヒトラーのPunisher田中のレビュー・感想・評価

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
2.8
1945年に自殺した筈のヒトラーは、自殺直前の記憶を失った状態で2014年のベルリンの空き地で目を覚ます。
タイムスリップした現代では本物のヒトラーとしてではなく、ヒトラーのモノマネコメディアンとして有名になっていくヒトラー。彼の自信に満ちていて真理を突いた演説はやがて民衆を虜にしていく。

コメディとして楽しめると思っていた自分がバカだった。全く笑えない。ジョークのようでありながら説得力のある狂暴的な演説からはどんなホラー映画よりも恐ろしく、大きな戦争が起きてしまいそうに感じる不安を感じた。
だから、本当に凄い映画だと思った。
特に国民が移民についての不安をぶつけるインタビューシーンなんかはエキストラでもなんでも無い人にインタビューをしてそのまま使っているそう。
だって、今まで外面しかドイツを見てなかったから大戦後は穏やかなのかなって思ってたけども、実際は他国を敵視している人が少なからずいることを知って怖くなった。どんな国にもそういった意見を持っている人がいるのは当たり前なんだけども、そんな意見といざ向き合ってみると怖い。

とにかくジョークだとしてもジョークだと済まされないところが多い。けども、躊躇なく本気で作り手も作っているのを感じられた。
話の流れも過激でなかなか衝撃的。評価が低いのは単に自分がこの映画を好きになれなかっただけだけども作品として凄く高い完成度なので気になった人は是非見て欲しいし、感想を聞きたい。