示唆に富む作品でした。
調べてみたら原作はヒトラーが首相になってから約80年後に書かれたものなのですね。
こんな際どい作品を興行的にも成功させられるドイツという国は大したものです。
笑っちゃダメな話なのでしょうが、笑ったところが多々あり。ドイツの事など全くわからない自分を笑わせてくれながら、しかしドイツ国民の本質みたいなものをグサグサ突いてくる風刺の鋭さがすごい。
この映画を観終えて、ふと思い浮かんだのが、以前自分が褒め称え拍手喝采していた某知事のこと。いまはすっかり醒めてしまいましたが。自分には見る目がなかったということかと。人を見る目を養うことの大切さを改めて認識。
この作品のヒトラーに魅せられていた自分がいて怖い、自戒。面白く観せながらも多くの気づきが得られる秀作でした。