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帰ってきたヒトラーのトルーパーcomのレビュー・感想・評価

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
2.0
現代によみがえったヒトラーが、そっくりさんTVタレントとして大人気になっていくというコメディ。割とFIlmarksで評判がよかったので観賞。

【1】キャラクター
◼︎アドルフ・ヒトラー
ヒトラー役の俳優さんの演技は抜群です。
立ち居振る舞い/演説のオーラなど再現度がすごい。
この人の演技力でもっている作品。
ヒトラーの演説について詳しい人が見るともっと楽しいんだと思う。

◼︎サヴァツキ
ヒトラーを発掘するTVマン。
BTTFのマーティみたいなベストを着ているのはタイムスリップものですよというネタだと思われる。
さえない感じの演技がよかった。

【2】テーマ
最初はギャップもののコメディだったけれど、終盤はヒトラーの能力が発揮されて意外な展開に。
強烈なカリスマが登場した際の集団心理の変容はリアルで面白かった。

ヒトラーやナチスの話題はタブーみたいになっているけれど、無能であったなら歴史に名は残せなかったわけで、こういう描写の仕方は歴史の理解としても大事だなと思う。

【3】残念だった点
◼︎映像
ヒトラーそっくりの人物が登場してTVに出演、っていう話なので、TVのドキュメンタリー番組/旅番組のような映像が続く前半。

意図はわかるんだけど、映像の質感が完全にTVなので、
「あれこれなんかTV番組見てるんだっけ?」って感覚になってしまった。
劇場で観たらどう見えたかはわからないけど、わざわざ映画をレンタルしてきたのにTV的な絵を延々と見せられて正直退屈してしまった。
TVってなんか流していると寝落ちしそうになりませんか?

◼︎ドイツ語
英語圏の映画ならそれなりに何言ってるかわかるので、俳優さんの演技がそのまま伝わるけれど、ドイツ語なので正直まったくわからない。

字幕以外には表情や仕草で判断するしかないので、実際のヒトラーとどれくらい似てるのかとか言い回しのクセとかがわからなかった。
たぶんドイツ人(ドイツ語ネイティブ)が観ないと魅力が100%はわからない映画だと思う。

◼︎TV/文化について
同様に、現在のドイツのTV番組や人々の日常、移民や人種問題についての国民の温度感がどういう感じなのかということを肌で知らないので、そのあたりの面白さもあるはずだがわからなかった。

シンゴジラが日本人以外にはピンとこないのと同様の現象だと思う。

【スコア】
★2.0です。
主演の演技のよさと、考えさせられるところがある作品だということはわかりますが、残念ながら日本人の自分にはあまり響きませんでした。

ヒトラーの演説の映像とかをたくさん見てから観賞するとまた印象がちがうのかもしれないです。
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