帰ってきたヒトラーの作品情報・感想・評価

帰ってきたヒトラー2015年製作の映画)

Er ist wieder da/Look Who's Back

上映日:2016年06月17日

製作国:

上映時間:116分

3.7

あらすじ

ヒトラーの姿をした男が突如街に現れたら?「不謹慎なコスプレ男?」顔が似ていれば、「モノマネ芸人?」。リストラされたテレビマンに発掘され、復帰の足がかりにテレビ出演させられた男は、長い沈黙の後、とんでもない演説を繰り出し、視聴者のドギモを抜く。自信に満ちた演説は、かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸と認識され、過激な毒演は、ユーモラスで真理をついていると話題になり、大衆の心を掴み始める。しかし、…

ヒトラーの姿をした男が突如街に現れたら?「不謹慎なコスプレ男?」顔が似ていれば、「モノマネ芸人?」。リストラされたテレビマンに発掘され、復帰の足がかりにテレビ出演させられた男は、長い沈黙の後、とんでもない演説を繰り出し、視聴者のドギモを抜く。自信に満ちた演説は、かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸と認識され、過激な毒演は、ユーモラスで真理をついていると話題になり、大衆の心を掴み始める。しかし、皆気づいていなかった。彼がタイムスリップしてきた〈ホンモノ〉で、70年前と全く変わっていないことを。そして、天才扇動者(ルビ:アジテーター)である彼にとって、現代のネット社会は願ってもない環境であることを―。

「帰ってきたヒトラー」に投稿された感想・評価

シュールの一言につきる!!
ぼくは好き笑
Beat

Beatの感想・評価

3.8
ヒトラーの再現度(?)が高く、コメディとしてきっちり成立しているのはいい。
主張がはっきりしているだけに、一風刺映画として観るのが賢明だろう。奇しくも現代の反グローバリゼーションを予言しているかのような示唆に富む場面もありゾクッとした。

この作品におけるヒトラーは偶像化された概念であり、彼自身の内面はあまり描かれず周囲の心情変化を通してヒトラーという人物が権力を獲得していく様を見るようなスタイル。感情を同一化させて流れに乗っていくことで響く映画であろうから、現代のドイツ人にはたまらない一作だっただろう。
YadyK

YadyKの感想・評価

-
作中で懸念されてた、ヒトラーをテレビに出すことでの批判っていうのは、完全にこの映画自体に対しても同じこと言えると思った
0chick0

0chick0の感想・評価

-
刺のある良いコメディーだった。
犬を銃で撃っちゃうところとか、フリと落ちとテンポが良すぎて不謹慎だけど笑っちゃった。

最初は目新しい異質なものが出てきてみんな笑ってるし、社会問題に対するモヤモヤした思いをスパッと代弁して解決してくれそうなわかりやすいリーダーシップに熱狂する。
けど、何度もその異質なものに触れ、慣れていくと、今まで笑ってたものの中に狂喜を見いだしてゾッとする。
それに気づいて回りにアイツヤバい!ってアピールしても、既に回りの人間はヒトラーに心酔してて、逆に自分自身がヤバい人間として排除されてしまう。

知らないうちに正気と狂喜の定義や概念が逆転して、扇動されてしまってる。それが昔の話じゃなくて、現代にも、現代にこそ起こりやすいものですよ、って知らしめる怖い映画。おもしろい!っていつまで言ってられるだろうか。

このレビューはネタバレを含みます

あとで
転調

転調の感想・評価

3.8
よくこれを映画にできたと思うほどのブラックジョーク満載。良い意味でも問題作
今のドイツの移民反対がヒトラーのやってる事と同じという事を伝えていてとても考えさせられる。歴史は繰り返されるという言葉が恐怖に感じた。

このレビューはネタバレを含みます

ドイツ政治と映画の知識があったらもっと楽しめたと思う。ボラット系。
最後のシーンは風刺というよりは、これをいれないと現代のドイツでは流せないからいれたんじゃないかと思った。

このレビューはネタバレを含みます

最後の最後でブラック効いてたなあ
chiguhagu

chiguhaguの感想・評価

5.0
個人的には21世紀に造られた映画の中で最も難解で面白い名作映画だと思った。

どういう風に受け止めればよいのか、観た後わからなくなったのだが、それは映画の性質が以下のように対称的な性質を同時に有しているからであろう。

なんとなく3次元の座標を思い浮かべてもらったらよくて、x軸「コメディー」と「シリアスホラー」、y軸「ストーリー」と「ドキュメンタリー」、z軸「映画」と「メタ映画」の3つの軸があると思う。

この3つの軸はどれも、この映画はどっち?と思わせてくれる要素だ。
序盤は完全に「コメディー」映画であるが、最後は恐ろしい描写で結末としている。

また、この話自体は原作のあるストーリーであるが、随所にヒトラーのモノマネ芸人だと現実社会で思われる男が現代ドイツ社会の窮状を訴え、リアルにヒトラー(芸人)に激しく同調するドイツの一般人が映し出される。

また、中盤までのストーリーは途中にタイムスリップしたヒトラーが書籍として出版し、大ヒットして映画を撮影する描写が映画の話に重ね合わされる。そもそも、お話しとドキュメンタリーの間が重なり合わされる重層的な話自体がさらに映画の中で重なり合わされることで、突如映画の深みが立体的になる。この映画としての面白さはかつて体験したことのない映画体験であり大変魅力的に思った。

ヒトラーというタブーな存在とドイツの現代社会の対比を中心的なテーマとして、話と映像表現によって、見事に3次元的な複雑さを映画にもたせた価値ある問題作であろう。
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