IFFJ(インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン)にて鑑賞。1990年8月2日に起こったイラクのクウェート侵攻で難民となったインド人17万5000人がクウェートから脱出する実話に基づく物語。
現地在住のインド人実業家ランジートは、家族で脱出することもできたが、現地に踏みとどまり、インド人難民を脱出させるべく奮闘する。あらすじだけで感動モノのストーリーだとわかってしまう。
2016年前半ボリウッド興行収入第1位だから、インドの人にとてもウケたのだろうし、自分も感動し、楽しめたけど、少し気になった点を。
(以下はネタバレ気味かもです)
ランジードは普段は同胞のインド人を見下し、アラブにかぶれる嫌なヤツなのだけれど、非常事態に至ってインド人のために団結するのだと、突如、善人に変わる。そして、もっと嫌な悪役キャラクターが登場して、彼に何かと難くせをつける。カタルシスのための設定なのだろうけど、これらが気になる。
ランジードの“君子豹変”(悪い意味でない方)にインドの人は違和感ないのかしら。ひょっとすると自分は重要なシーンを見逃したのかもしれない。機会があったら、確認したいポイント。
やたらに文句をつける悪役キャラクターも、いくらなんでもあの状況で、あんな人はいない気がして、自分的にはリアリティがなかったけど、インドの人はそうではないのかしら。
この映画だけではないけれど、映画の中の人達は、言葉の応酬が凄い気がする(インド映画をあまり観てないから、たまたまかな?)。日本人がインド人と交渉するのは結構大変かも、と思ってしまう。
もっとも、アラビア商人はインド商人の上をいくみたいだから、実業家のランジードがアラブにかぶれていたのは、そのせいかもしれない。
そのランジードがインド人の身になって、アラブ人とも丁々発止のやり取りをしながら、脱出を勝ち取る。インド商人がアラビア商人と交渉して勝った、みたいな。インド人、スゲーじゃん、みたいな。そういう点(完全に妄想です)もインドでウケる理由なのかしら。
大脱出が成功したのは、ランジードの力もさることながら、インドの官僚や航空会社、インド難民すべての力が集まったから、というのが感動ポイントであることは間違いなのだけれど、日本人の自分にはわからない、他のポイントがあるような気がしてならないけどどうだろう。インドのことがもう少し知りたくなる映画。